みなさんこんにちは。便利屋さん集客チャンネルのおとさんです。
便利屋の開業に、特別な資格や許可は要りません。税務署に開業届を出せば始められます。
ただし、手続きより先に「何を・どこで・いくらで受けるか」と「最初のお客さんをどう見つけるか」を決めておくことが大切です。
「ありがとう、あべさん」は、2022年に新潟市で立ち上がった便利屋です。代表のあべさんを、私は立ち上げから裏方で支えてきました。資格も道具もない状態から始まり、年商は次のように伸びました。
- 1年目9万円
- 2年目27万円
- 3年目150万円
- 4年目700万円
この記事では、資格・開業資金・届出に答えたうえで、ほかの開業の解説には書いていない「開業してから最初の1件を取るまで」の順番をお話しします。
便利屋を開業するには|手続きより先に「何を・どこで・いくらで」を決める
多くの人が止まるのは手続きではなく、何の仕事で、誰からお金をいただくのかが決まっていないことです。
開業届は1枚で済みます。お店を借りる必要もありません。それでも「何から手を付けていいか分からない」で止まる人が多いのは、仕事の中身が決まっていないからです。
開業する前に決めておくのは、この3つです。
- 何の仕事を受けるか自分ができることと、地域で頼まれることが重なる仕事
- どの地域で受けるか車で通える範囲。最初は狭くていい
- いくらで受けるか1時間いくらか、出張費をどうするか
最初の仕事は、私(おとさん)が新潟市の草刈り屋として刈った現場の草集めでした。地域も、まずは新潟市の中から。
できることが少ないなら、少ないところから始めればいい。
この3つが決まると、集客の順番が決められます。手続きは、そのあとで十分に間に合います。
便利屋の開業に資格は要る?|あべさんは運転免許だけで始めた
便利屋を名乗るのに資格は要りません。ただし、資格や許可がないとやってはいけない仕事はあります。
あべさんが開業した時の資格は、マニュアル車の運転免許ともう一つだけ。大工仕事や庭仕事の経験もありませんでした。
開業から3年あまりたった頃の動画で、あべさんが「取っておいてよかった」と挙げたのは2つです。
- 草刈機の講習:新潟で8,000円から1万円弱。先生がついて実技もある
- 荷物を運ぶための届出(黒ナンバー):引っ越しの手伝いなど、受けられる仕事が広がった
くわしくはスキルも資格も道具もなくて便利屋を開業できるかに書いています。
- お金をもらって荷物を運ぶ:軽自動車でも貨物軽自動車運送事業の届出(黒ナンバー)が要ります。届け出ずに事業にすると100万円以下の罰金です(貨物自動車運送事業法)
- 家から出たゴミや不用品を運ぶ:市町村長の許可が要ります。運ぶだけでも要ります(廃棄物処理法)。便利屋はここを引き受けません。「ありがとう、あべさん」は袋詰めまでで、処分は許可を持つ業者さんにお願いしています
- 電気工事:壁の中の配線につながるコンセントやスイッチの交換は、電気工事士の資格が要ります
黒ナンバーの届出そのものは無料です。ただ2025年4月からは、一人で始める場合も安全管理者の講習(NASVAで5時間・3,700円)や運転者の適性診断(NASVAで4,800円)が要ります。
便利屋の開業資金はいくら?|道具なし・軽自動車からのスタート
開業資金は「道具と車」と「売上が立つまでの生活費」に分けて考えます。見落としやすいのは生活費のほうです。
何の仕事から始めるかで、必要なお金は大きく変わります。決まった金額はありません。
最初の現場では鎌すら持っておらず、草は手で抜いて袋に詰めました。車は軽トラではなく、ただの軽自動車です。
動画であべさんに「1,000円の仕事を3回受けて、3,000円たまったら何ができる?」と聞くと、答えは「鎌が買えます」でした。
道具は、仕事が入ってからそろえればいい。最初から全部そろえると、使わない道具にお金を寝かせることになります。生活費のことは、売上が立たない間の見出しでお話しします。
便利屋の開業届と、開業前にやる手続き
個人で便利屋を始める時の手続きは、主にこの4つです。
- 開業届(税務署)「個人事業の開業・廃業等届出書」。開業した年の確定申告の期限までに出します(国税庁)
- 青色申告承認申請書(税務署)その年の3月15日まで。1月16日以後の開業は、開業から2か月以内です(国税庁)。開業届と一緒に出すと忘れません
- 事業を始めた届出(都道府県税事務所)書式と期限は都道府県ごとに決まっています
- 黒ナンバー(荷物を運ぶ時だけ)運輸支局への届出と、軽自動車検査協会でのナンバーの変更。事業を始める前に
書類の数は多くありません。時間をかけるべきなのは、届出の書き方より「何を・どこで・いくらで」と集客の順番のほうです。
開業して最初の1件をどう取るか|あべさんは草集めとビラ配りから
開業の解説は、集客の手段を並べて終わるものがほとんどです。開業したばかりの人が知りたいのは「どれから、どの順で」です。
「ありがとう、あべさん」がやった順番は、こうでした。
- 知っている人の現場を手伝う最初の1件は、新潟市西区の私の現場の草集め。軽自動車で来てもらいました
- ビラを配る道具がなくても足を動かせばできます。自宅の周りから、インターホンを押して自己紹介しながら手渡し
- ジモティーで評価をもらう実績ゼロのうちは、0円でもいいから受けて、売上より先に評価を集めました
SNSやホームページは、始めてもすぐには見てもらえません。開業したての時期に、すぐ打てて反応がもらえたのがビラでした。あべさんは、動いていることで気持ちもだいぶ安定したと話しています。
手段ごとの役割は便利屋の集客方法は4つの役割分担で決まる、チラシの考え方は便利屋のチラシの作り方と配り方にまとめています。
売上が立たない間をどうしのぐか|初年度の年商は9万円だった
開業してすぐ食べていけるとは考えず、売上が立つまでの暮らしを最初から計画に入れておく。これが、続けられるかどうかを分けます。
8月から9月ごろに始めた初年度は半年ほどで、年商9万円。月にならすと2万円にも届きません。最初は無料で受けていた時期もあります。
動画では、その頃は派遣や日雇いなど、別の仕事をしながら続けていたと話しています。
2年目は27万円で、まだ便利屋だけでは暮らせませんでした。3年目に150万円、4年目の2025年に700万円です。
別の仕事と並行して始めるのは、恥ずかしいことではありません。この時期は耐えるものというより、順番で短くできるものです。続かなくなる人が通る壁は便利屋が儲からない・失敗する3つの理由にまとめています。
便利屋はフランチャイズで開業するべきか
便利屋は看板で選ばれる商売ではありません。地域で選ばれるのは、顔が見えることと、口コミや評価があることです。
研修や仕組みがそろっているのは、フランチャイズの良さです。ただ、ハンバーガーなら旅先でも知っている看板の店に入りますが、便利屋を「この看板だから」で決める人はあまりいません。
加盟するかどうかは、毎月払うお金に見合う集客が、自分の地域で本当にあるかで考えてみてください。
ここは専門の仕事|開業する前に、集客の順番まで決めておく
便利屋さんの土俵は現場です。お客さんが自分ではできないことを代わりにやるのが、便利屋の価値です。集客も同じで、得意な人に任せたほうが早く進みます。
「何を・どこで・いくらで」を決めることも、最初のお客さんを見つける順番を組むことも、順番を間違えると集客につながらない、専門性の要る仕事です。
2025年から事業の設計と集客を一緒に組んできた「お茶の間レスキュー隊」の伊藤さんは、脱サラして独立した初年度の年商が350万円でした。私はこれまで、20社以上の便利屋さんの開業と集客を支援しています。
開業まるごと支援では、開業前の事業設計から、届出・料金・サイト制作・集客まで、立ち上げに必要なものをまとめてお引き受けします(初期220,000円+月額66,000円×6か月=616,000円〜)。これから便利屋を開業する方は、まず一度ご相談ください。
まとめ
- 何の仕事を・どの地域で・いくらで受けるかを決める
- 資格は要らない。荷物の運搬・ゴミ・電気工事には資格や許可が要る
- 開業資金は「道具と車」と「売上が立つまでの生活費」に分ける
- 開業届・青色申告・都道府県への届出。荷物を運ぶなら黒ナンバーも
- 最初の1件は、知っている人の手伝い・ビラ配り・0円でも評価をもらう仕事から
あべさんが動画で「開業して大変だったこと」に挙げたのは、スキル・お客さんとのやり取り・集客の3つでした。手続きの話は出てきません。開業の準備で一番時間をかけるべきなのは、仕事の決め方と集客の順番です。
動画で見る
この記事で触れた、あべさんの開業の話は、以下の動画で話しています。
